なんで虫歯になるの?
なんで虫歯になるんだろう?疑問に思ったことはありませんか?
甘いものの食べ過ぎ?歯磨きをしていないから?
虫歯とは口腔細菌による感染症ともいえます。口腔細菌は口の中に存在する
口の中の環境も大切で、口の中は基本㏗7中性の状態にあります。食べたり飲んだりすることで㏗は下がって、酸性に傾いていきます。歯が溶け始める(=脱灰)の㏗は5.5~5.7といわれています(臨界㏗)。人間には緩衝能という元に戻ろうとする機能があり、口の中ではだ液が重要な働きをしています。中性に戻り始めると溶け始めた歯も元に戻ろうとします(=再石灰化)。歯の脱灰と再石灰化のバランスが崩れたときに発生します。さらに脱灰が優勢になると歯が破壊され進行します。
また虫歯になるには条件が揃っていることが必要です。
カイスの三つの輪といって1960年代にアメリカの学者カイスによって提唱されました。
①宿主
その人の歯の質や形態、歯列や咬合、だ液のことを指します。
②細菌
いわゆる虫歯菌(口腔細菌)です。
有名なものでいうとミュータンスレンサ菌(ストレプトコッカスミュータンス)があります。このミュータンスレンサ菌は酸性能力が高く、不溶性グルカンをを産生し、酸性環境下でも増殖できる性質をもちます。不溶性グルカンとは、歯に菌を付けやすくしたり、抗菌剤等から菌を守る働きを持っています。
③糖
これは皆さんのイメージする甘いものです。糖にも色んな種類がありますが虫歯に関係するのは発酵性糖質です。これはプラーク中の細菌による酸産生の材料になる糖のことです。摂取回数が増えると虫歯になりやすいといえます。
発酵性糖質・・・ブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、乳糖など
非発酵性糖質・・・糖アルコール、オリゴ糖など
非発酵性糖質の代表は糖アルコールであるキシリトールです。これは不溶性グルカンの基質にならずプラーク中の細菌の酸産生の材料にもなりません。非発酵性糖質でも糖アルコールは虫歯になりませんが、オリゴ糖はなりにくいがならないわけではないので注意が必要です。
この三つの条件が揃ったとき初めて虫歯になるのです。当然歯があるだけでは虫歯になりません。虫歯菌が存在するだけ、甘いものを食べただけでは虫歯にはならないのです。
例えば甘いものが大好きなA子ちゃんがいるとします。10時と15時におやつを食べるのがとても楽しみです。
10時の時はおやつを食べた後すぐに歯磨きをしました。15時の時はおやつを食べた後眠くなってしまい歯磨きをせずに昼寝をしてしまいました。
10時と15時の時のA子ちゃんの口の中はどうなっているでしょうか?
10時のA子ちゃんの口の中は甘いものが入ってきましたが、すぐに歯磨きをしたので糖がほとんど残っていません。虫歯菌も食べるものがなく元気がなさそうです。虫歯菌による酸も産生されないので歯は溶けずにすみそうです。
15時のA子ちゃんの口の中は甘いものが入ってきて、歯磨きをしていないため糖がたくさん残っています。虫歯菌は大好物の糖を発見して大喜び、元気いっぱいです。虫歯菌が酸を産生してしまいこのままだと歯が溶け始めてしまいます。
このように①宿主②細菌の条件は同じでも③糖が違う二人の口の中では全然環境が変わってしまいます。
今ではこのカイスの三つの輪に4つ目の条件“時間”が足されたニューブランの四つの輪が主流になってきています。
食後の歯磨きは虫歯にならないための大事な予防になります。食べたら歯磨き、習慣づけていきましょう。
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