三人官女の1人はお歯黒
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三人官女の1人はお歯黒

2016年03月01日(火)11:22 AM

明日、3月3日は桃の節句、ひな祭りです。ひな祭りといえば、女の子のお祭りで、お雛様を飾ってひなあられを食べる、お雛様をしまうのが遅くなってしまうとお嫁に行き遅れてしまうなど様々な風習が伝わっています。その中で、今回は雛人形の役割について、おはなししていきます。

 

内裏雛…天皇、皇后をあらわしています。

三人官女…宮中に仕える女官をあらわしており、そのうち1人のみ

お歯黒、眉なしです。

五人囃子…お囃子を奏でる5人の楽人をあらわしており、向かって右側から楽器が小さい順番に、謡(うたい)、笛、小鼓(こづつみ)、大鼓(おおづつみ)、太鼓の順に並べます。

右大臣、左大臣…向かって右が左大臣で年配者、左が右大臣で若者になります。武官の姿をしています。

仕丁…従者をあらわし、通常は3人1組です。

それぞれに意味はありますが、自然のエネルギーを授かり、健やかに成長できるように幸せを願う意味があるようです。

 

お歯黒とは?

雛人形の中に、お歯黒の三人官女が1人だけいましたが、お歯黒にはどのような意味が込められていたのかご存知でしょうか?「お歯黒」は明治初期まで長い歴史を経て続いていた女性の習慣の1つで、文字通り歯を黒く染める風習のことです。なんと「お歯黒文化」はむし歯予防の見地からも有効であったといわれています。お歯黒の起こりは日本古来からあったという説、南方民族が持って来たという説、インドから大陸、朝鮮を経て日本に伝わったなどいろいろな説があります。お歯黒をつけることにはいろいろな意義がありますが、江戸時代においては既婚婦人のしるしで、まずは白い歯を染めて、「二夫にまみえず」との誓いの意味あいがあったそうです。お歯黒の風習は、明治政府の近代化政策により、チョンマゲや帯刀とともに禁止されたので、しだいになくなっていきました。そして、大正時代にはほぼ全国からお歯黒の風習はなくなりました。

 

歯ブラシやデンタルフロスといったケア用品のなかった時代には、こういった工夫によりむし歯から歯を守っていたのですね。もちろん現代では、むし歯予防や歯周病予防など様々なケア用品が充実しています。お歯黒にせずとも、しっかりとした歯磨きを心掛け、むし歯にならない真っ白な歯を維持していってくださいね!



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