歯周病の治療
歯周病の治療では、歯石除去、歯のクリーニング、ブラッシング指導、レーザー治療などを行います。その後、歯周病予防、口臭予防のために定期的にメンテナンスをしていきます。歯周病の原因は歯垢(磨き残し)です。歯磨きがきちんとできてさえいれば歯周病は予防できます。薬も特別な治療もいりません。患者様の力で治せる病気です。正しい歯磨きを毎日継続していくことが最も効果的な治療法です。そのために、歯ブラシ、歯間ブラシ、フロスを使い分け効率的な歯磨きをしましょう。
歯周病の怖いところは、初期の段階ではほとんど自覚症状が現れないというところです。歯周病の症状が出始めることには、かなり歯周病が進行していて、長期間の治療が必要になる場合があります。歯周病の治療が、早期発見・早期治療が必要なのはこのためです。以下のような症状がある方は、なるべく早めに歯科医院を受診しましょう。
歯茎からの出血
歯磨きや固いものを食べた時に、歯茎から出血したりするときには注意が必要です。普段の歯磨きでは、出血することはほとんどありません。歯茎から出血するということは、炎症が起こっている証拠です。
口臭が出る
突然、口臭がきつくなった場合は、歯周病の可能性があります。歯周病菌の繁殖により、強烈な臭いを発します。歯周病による口臭は、きちんと治療を行うと改善されます。
口の中がネバネバする
口の中がネバネバする、と感じたときは、歯周病の疑いがあります。歯周病菌が唾液に中に多く含まれていると、口の中がネバネバして気持ち悪いと感じることがあります。
歯茎が腫れた
歯茎が腫れたり、色が赤や紫色になっている場合は、歯周病を疑う必要があります。歯周病菌により歯周組織に炎症を起こしている証拠です。
歯茎から膿がでる
歯周病の症状が進行すると、歯茎に膿がたまることがあります。歯周病による膿は、出しても出してもたまり続ける場合がありますので、歯周病をきちんと治療することが大事です。
歯がぐらぐらする
歯周組織に炎症が起こったり、歯を支える骨が少なくなったりすると、歯がぐらぐらしてきます。指で上下左右に動かすと、明らかに歯がぐらぐら動くような場合は、かなり歯周病が進行している証拠です。
固いものを咬むと痛みが生じる
歯周病により歯周組織が炎症を起こすと弱くなり、固いものを食べると痛みが生じる場合があります。歯周組織が歯を支えきれずに起こる痛みです。
歯周病治療の流れ
①初診・カウンセリング
現在の症状、生活習慣をお聞きします。歯周病を治療するには、患者様の日常生活(食生活、歯磨きの回数など)を見直すことも重要です。
②検査
レントゲン撮影、歯周ポケットの測定、歯肉からの出血状態など、お口の状況を検査します。検査結果に基づいて、現状や今後の予定など十分に説明し、歯周病の治療を開始します。
③治療・ブラッシング指導
歯肉縁上(歯の表面に見える部分)にある歯石を取り除きます。歯肉縁下(歯ぐきに隠れて見えない部分)に歯石がある場合、数回に分けて取り除きます。また、患者様の現在の歯磨き方法を見直し、歯科衛生士が歯磨きの仕方をアドバイスさせていただきます。正しい歯磨きの方法を身につけ、ご家庭でのお手入れを強化していただきます。歯周病治療は、歯科医院での専門的治療と患者様ご自身による口腔ケアがとても重要です。
④再検査
再度お口の状態を検査します。経過が良好であれば、定期検診に移行します。
⑤メンテナンス
歯科衛生士によるメンテナンスを行います。歯周病治療後、継続的に定期検診やクリーニングを行い、良好なお口の状態を維持していきます。歯周病の再発・進行防止には、定期的なメンテナンスとご自身での正しいブラッシングが重要です。